健幸のたね
第4回「夜間ひん尿のお話」
夜 眠りについた後、トイレにいくことがありますか。ぐっすり眠りたいのに1回、2回、3回・・・と頻繁にトイレに行くと、眠りが浅くなって翌日まで疲労感を 持ち越してしまいそうですね。このように「夜間、排尿のために起きなければならない症状」を夜間頻尿といいます(日本泌尿器科学会)。皆さんは昨夜の就寝中にトイレに行きましたか?もし行かれた場合は、何回行きましたか?
NILS-LSA(注1)では地域にお住まいの皆様に日常の「夜間の尿の回数」を伺っています。その結果、図にお示ししたように、男女ともに年齢が高くなるほど「夜間頻尿がある」方の割合が高くなり、また尿の回数は高齢の方ほど多いことが分かりました。
夜間頻尿の原因は人によってさまざまですが、一日のおしっこの量が多い「多尿」や、「夜間の多尿」、「おしっこをためておく膀胱容量の減少」、「睡眠障害」 が主な原因です。服用中の薬の種類や、飲んでいる水分量、飲酒量などもおしっこの量に影響しますし、前立腺肥大などによる膀胱容量の減少が頻尿につながる こともあります。
夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こすこともあり、日中の疲労感など日常生活に影響するばかりでなく、暗い中、トイレに行くことで転倒する危険性もあります。
でも、自分の尿が「多尿か」、「頻尿か」など、他の人と「おしっこ」の量を比べる機会も普段ありませんので、自分ではなかなか判断が難しいですね!
就寝時に何度もトイレにいく必要があり、それが昼間の生活にも影響するようであれば、たかが「おしっこ」と思わずに専門外来を訪ねるのも良いでしょう。歳のせい、と片付けずに、排尿習慣を見直し、質の良い睡眠を得て、すっきりした頭と身体で一日を過ごしましょう。
夜間の頻尿を見直して、質の良い睡眠を得ましょう
(注1)
今回の内容は国立長寿医療研究センターの許可を得て、転用させていただきました。国立長寿医療研究センターでは、一般的な老化の進み方を明らかにすることや、高齢者に多い病気(『老年病』といいます)の予防を目的とした「国立長寿医療 研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究:NILS-LSA」を平成9年に開始し、平成27年現在もこの調査は続いています。
今後も貴重な調査データを活用させていただき、皆さまにお伝えしていく予定です。
またNILS-LSA の詳細についてはこちらをご覧ください。
(近畿労働金庫 健康管理センター)