健幸のたね
第8回「友達がいて、役割があり、社会とつながり、生きがいを持つ人が長寿」
退職者会のHPを拝見させていただくと、囲碁同好会、カラオケ同好会、春のハイキング、総会と予定が目白押し。無関係の私でも何か嬉しくなります。
このような「外出」「仲間」「趣味」という点は、元気に年を重ねていく上で重要なポイント!
今回は「外出」「仲間」という点について、『おでかけ好きは長寿の秘訣 ピンピンコロリの法則』の著者である首都大学東京名誉教授の星 丹二先生の調査結果をお伝えします。
《社会的サポートやネットワークと健康》
星先生が行った「高齢者の社会的孤立と健康」に関する調査で、以下のような結果が出ています。
〜長生きの観点から(一部抜粋)〜
-
男女共通
* 社会的孤立度が高くない(図1)
* 「自分は健康」と思える(主観的健康感が高い・図4) -
男性
* 外出頻度を維持している -
女性
* かかりつけ歯科医がいる(図2)
また、要介護状況についても同様に、男女共に社会的に孤立していないほど健康は維持され、逆に孤立しているほど3年後の要介護者になる割合が高くなるという結果も出ています(図2)。
周りとの関係性は長生きだけでなく、健康寿命にも影響することが分かります。
星先生は「友達がいて、役割があり、社会とつながり、生きがいを持つ人が長寿」と言われています。
また「元気で長生きするために最も大切なことは、医療ではなく教育である」とも言われています。
調子が悪い時に医療の力を借りることはもちろん大切ですが、このような調査結果を知り活かしていくことが大切ってことですね。
これから気候が良くなる季節!仲間と一緒にお出かけしませんか?
・・・先ほど出てきた「主観的健康感」って聞き慣れない言葉だと思いますので、ちょっと補足・・・
《健康ですか?と聞かれたら何と答えますか》
「主観的健康感」とは病気や障害の有無に関係なく、自分が健康と思うかどうかです。
「病は気から」という諺がありますが、多少の病気や支障があっても「自分は健康である」と自信を持つ人は、「健康でない」と考える人に比べて長生きであることが示されています。
「健康と感じるよう心がけて」いきましょう。
「お元気ですか?」と聞かれたら「元気でっせ!」と返答してみませんか?
参考資料:[社会的サポート・ネットワークと社会保障]社会的サポート・ネットワークと健康:星 旦二, 桜井 尚子;社会保障研究48巻3号304-318、2012.12